2009年度(平成21年度)委員会活動
骨粗鬆症の予防と治療に関するガイドライン作成委員会(折茂 肇 委員長、中村利孝副委員長)
第11回日本骨粗鬆症学会(2009年10月16日)において、「FRAX○Rの日本人への応用」というテーマでシンポジウムが開催され、骨粗鬆症に対する治療介入の基準に関して次の4つのRecommendationsが提示された。
1.Guideline and FRAX○R
2.FRAX○R cut-off value and age
3.Use of FRAX○R in bone health check-up
4.Limitations of FRAX○R
これを受けて同年12月20日にFRAX○R検討会議が開催され、上記4項目についてのコンセンサスが得られた。これらを含め、更に骨質に関する新しい知見および新規薬剤・骨代謝マーカーを加えて「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2006年版」の改訂作業を進めることとなった。
そして、2010年2月7日に新しく15名の委員で組織された第1回委員会を開催し、活発に意見交換が行われた。その結果、一部項目の追加および内容の改訂などを行うこととなり、4月末現在では、各執筆者によるClinical Questionが出揃ったので、委員会において全体的な調整を図った上で、各項目の執筆を依頼する段階である。改訂版の発行は2011年中を目標に進める予定である。
本年10月の第12回日本骨粗鬆症学会のメインシンポジウムとして、集約した執筆原稿を基にガイドラインのUpdateを公表する予定となっている。
(第1回議事録はOsteoporosis Japan: Vol.18, No.2, p251, 2010に掲載)
QUS標準化委員会(楊 鴻生 委員長)
現在市販されている超音波骨量測定機器(QUS)6機種を用いて踵骨を測定し、標準化の可能性について検討した(Osteoporosis Japan:16,350,2008)。その結果、指標としたSOS値はそれぞれ高い相関性を示すことがわかり、標準化SOS(s-SOS)を設定した(OpJ:16,596,2008; OpJ:17,112,2009)。さらに第10回日本骨粗鬆症学会のイブニングワークショップで委員会報告が行われ、これらをまとめて小冊子を発行した(OpJ:17,No.2,149,2009)。2010年4月に第7回目の委員会を開催し、新たに工学系の専門家を加えて標準化に対する意見交換を行った。今後は指標としてのBUAの標準化の可能性や統一ファントム作製について議論を進めて行きたい。本年5月の日本骨形態計測学会(米子市)および10月の日本骨粗鬆症学会(大阪市)においてシンポジウムが組まれている。
BP関連顎骨壊死検討作成委員会(米田俊之 委員長)
ビスフォスフォネート製剤による顎骨壊死に関して、日本骨代謝学会との共同委員会を2008年5月より開始し、最終的には2009年10月の委員会においてガイドラインの草案が提出された。現在、米田俊之委員長(日本骨代謝学会理事長)を中心にPosition PaperをJBMMに投稿中であり(JBMM:DOI 10.1007/s00774-010-01627)、さらに和文簡略版を発行して関係者に配布している。本件は報告書に関する著作権の問題が提起されており、双方の学会で調整中である。なお、膨大な資料を含めた詳細版は、今後単行本として頒布する予定である。
骨代謝マーカー検討委員会(西沢良記 委員長)
2009年5月に第1回委員会を開催し、レトロスペクティブ症例での骨代謝マーカーのT-score化のフィージビリティスタディについて検討すること、ガイドライン2004年版の補足や追加作業を行うこと、検査会社における測定の施設間差を是正することなどの行動計画が出された。さらに第2回、第3回の委員会において、上記に関する検討報告や改善策などが議論され、基準値設定および治療効果の動向に関する2つのワーキンググループで継続対応を行うこととなり、その途中経過も発表された。新しい骨代謝マーカーのガイドラインは2012年度には公表したい。
椎体骨折評価委員会(森 諭史 委員長)
現行の椎体骨折の評価基準をより現状に合わせて、日常診療でも使用しやすいものにできないかを検討する委員会が設置された。この委員会は日本骨形態計測学会、日本骨代謝学会および日本骨粗鬆症学会の3学会が共同で、2009年7月より作業を開始し、第2回委員会は同年10月に、第3回目は2010年3月に行われた。椎体骨折をめぐる現状を把握し、今後の行動計画として日本人の椎体骨折データ、判定基準、MRIによる評価、SQ法による評価、用語の統一、他学会(*)との調整などを検討し、新評価基準の原案作成に着手していきたい。
(*)日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本放射線医学会
生活習慣病における骨折リスク評価委員会(杉本利嗣 委員長)
中村利孝理事長の提案に基づき、生活習慣病に並存・続発する骨粗鬆症や骨折リスクについて、社会的認識の向上と診療における骨の健康維持の推進を目的に、指針(診療ガイド)を作成する委員会を立ち上げた。第1回委員会は2009年10月に行われ指針作成の手順および臨床研究の進め方について討議された。第2回目は2010年1月に行われ、指針書に対する各執筆者と項目ごとのレビューを3月中に纏め上げることとなり、現在出版社にて作業中である。
2010年10月の第12回日本骨粗鬆症学会においてシンポジウムを行い、出席者からの意見を反映して2011年3月までに診療ガイドを公表することが予定されている。