論文タイトル

妊娠後骨粗鬆症による多発椎体骨折の2例

著者名:徳毛敬三、根津優子、大石恵一、角南華子、平松祐司

  • 妊娠後骨粗鬆症
  • 骨折
  • 低BMI

発行日:2026/8/31

学会誌名:The Journal of Japan Osteoporosis Society

巻・号:Vol.12 No.3

抄録

緒言:妊娠後骨粗鬆症(pregnancy and lactation associated osteoporosis:PLO)は,1955年に初めて報告され,病態は不明で治療法も確立されていない.出産後に多発椎体骨折を発症した2例を経験したので報告する.

症例:症例1は20歳代女性.BMI 18.9.X年8月に第1子を正常経膣分娩し,産後3カ月にPLOを発症した.DXA(young adult mean:YAM値)で腰椎54 %,大腿骨近位部60 %と著明な低下を認めた.断乳,装具固定とエルデカルシトールを開始した.その後新規の椎体骨折が見つかり,テリパラチドを追加投与したが嘔気のためエルデカルシトールのみで治療継続した.その後,第2子,第3子を出産した.7年後,DXA(YAM値)は腰椎72 %(18 %増加)まで改善した.症例2は30歳代女性.BMI 21.6.Y年11月に第1子を正常経膣分娩し,産後2カ月にPLOを発症した.断乳,装具固定とデノスマブ投与中であったが,新規の椎体骨折が見つかり当院紹介となった.DXA(YAM値)は腰椎50 %,大腿骨近位部54 %と著明な低下を認めた.テリパラチド,エルデカルシトールに切り替えた.2年後,DXA(YAM値)は,腰椎69 %(19 %増加)まで改善した.

結語:2例とも早期に治療介入することで骨密度が改善した.低BMIなど危険因子をもつ妊婦は,食生活の改善が生涯にわたる骨粗鬆症の予防に重要であると考えられた.