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骨粗鬆症(骨粗しょう症)に関わる基礎・臨床の諸問題、社会的貢献についての研究と情報交換
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ごあいさつ
日本骨粗鬆症学会理事長 中村利孝
日本骨粗鬆症学会 理事長
 国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授   山王メディカルセンター・女性医療センター長      太 田  博 明
去る3月11日(金)に発生しました三陸沖を震源とする未曾有の東日本大震災で被災された皆様、そして福島原発事故により避難を余儀なくされている皆様およびご家族の方々に対しまして哀心よりお見舞い申し上げます。また今日におきましても、依然としてライフラインも十分でない被災地におきまして、医療に尽力されておられる東北地方の会員の皆様におかれましては、筆舌に尽くしがたいご苦労がおありのものと拝察致します。今後はそれぞれの立場で叡智と良識を発揮し、心を一つに行動することによって、この国家的難局を乗り切り、被災地の一日も早い復旧・復興に協力したいと思っております。
さて、私こと太田博明は、2011年1月の役員改選に伴う臨時理事会にて次期理事長候補者として信任され、このたび2011年4月29日の新メンバーによる理事会にて正式にご承認いただき、2年間理事長を勤めさせていただくことになりました。中村利孝前理事長のもとで2期4年間副理事長を勤めさせていただいた経験を生かし、前理事長による本学会の国際化、学術化路線を受け継ぎ、さらなる発展を目指して、向後2年間学会運営に精励致したいと考えております。つきましては白木正孝理事に副理事長をお願いするとともに、今後とも中村前理事長には本学会における中心的な役割を果たしていただき、理事会構成メンバーの方々には一層のサポートをお願い致したいと思います。
 本学会は骨粗鬆症という単一の疾患を対象とした学術団体でありますが、骨粗鬆症は続発したり、併発したり各種の生活習慣病とリンクする、まさにcommon diseaseであります。私たちが暮らす日本社会は、ヨーロッパが200年かかった高齢化を4倍の速度の50年で達成しました。このわが国の急速な高齢化において、運動器の脆弱性は痴呆とともに人生90年時代の健康長寿のための最大課題となっており、骨や関節の健康なくして、健全老化はあり得ません。このことを国民に広く啓蒙・啓発し、骨検診の重要性、すなわち予防医療の重要性を社会により浸透させたいと思います。また本症は一生対応していかなくてはならない、慢性疾患であることから、慢性疾患の指導料を保険的にも承認してもらうべく、内保連に対しても継続的な働きかけを白木副理事長に改めてお願いする予定であります。
 さらに学会の存在を認知してもらうために、私的な学術団体であることに留まらず、法人格として認知されるべきであると考えます。そのような点から、日本医学会に加入するためにも法人格を取得すべきではないかと考えております。そして、学会員を2000人、3000人と増加させることは本学会の社会的ニーズにこたえるためにも急務であります。そのためには、本年度より発足する骨粗鬆症リエゾンサービス委員会(中村利孝委員長)も診療効率に直結するばかりでなく、本症関連医療従事者にさらなる関心を持っていただく一助になるものと思われます。
 先の「ビスホスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)に関するポジションペーパー」と「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド(杉本利嗣委員長)」は本学会の認知、本症への関心惹起に少なからず寄与し、さらには財務基盤への充実に向けて多大な貢献がありました。一方で今後、A-TOP研究会や骨粗鬆症財団などとの連携強化も一層図って参りたいと思います。
 新体制のもう1つの目玉であります原発性骨粗鬆症診断基準改訂検討委員会(福永仁夫委員長)を日本骨代謝学会と連携して発足することになりました。わが国の診断基準は%表示にて、欧米のSD表示とは表現ばかりでなく、数値的にも異なりがあり、国際的にみても不都合が少なくありません。日本の%表示の方が診断に関して厳しくなっており、海外の基準では骨粗鬆症であってもわが国では骨粗鬆症と診断されず、それだけ介入も遅れ、骨粗鬆症による骨折はなかなか低下に結びついておりません。この2000年版の原発性骨粗鬆症診断基準を11年ぶりに見直しし、global standardに近づけようという根本的な作業にまずは着手したいと思います。
 65歳以上の高齢者が20%を超えたわが国において、本学会の果たす役割は今後益々重要なものとなっていくと思われます。学会員の皆様方のご協力とご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。